今週のピックアップニュース(2026年9月21日号)

今週のピックアップニュース 2026年8月17日号|HOGOINU LAND 今週のピックアップニュース

こんにちは、HOGOINU LANDです。今週も「保護犬」にまつわるニュースの中から、気になったものをいくつかご紹介します。記事の詳しい内容は、それぞれのリンク先でご覧ください。

今週の要点:9月20日から動物愛護週間が始まりました。今年は日本で最初の動物愛護週間の催しから100年という節目で、各地の自治体や動物愛護センターが主催する行事が続きます。一方で熊本では地震で被災したペットへの支援が続き、福岡県では「譲渡が難しい犬猫」のための寄付募集が始まっています。行事のにぎわいと、その裏側で保護犬を支えている行政・団体・寄付の仕組み。その両方が見えた一週間でした。

動物愛護週間が始まりました。今年は100年の節目

9月20日(日)から26日(土)までは、動物愛護管理法で定められた「動物愛護週間」です。1927年に日本で初めて動物愛護週間の催しが行われてから今年で100年にあたり、今年度のテーマは「動物愛護週間100年~人と動物との適正なかかわり方について~」。中央行事の「どうぶつ愛護フェスティバル」は9月19日(土)に東京国立博物館で開かれ、11月14日(土)には上野恩賜公園で申込不要の屋外行事も予定されています。主催は環境省・東京都・台東区と動物愛護関係の公益団体で構成される実行委員会です。

出典:東京都 報道発表資料・2026年8月3日/環境省 報道発表資料・2026年8月4日

HOGOINU LANDの視点:動物愛護週間は「動物を大切にしましょう」という啓発の期間ですが、保護犬を迎えようとしている方にとっては、もう少し実用的な意味があります。この1週間は、全国の自治体の動物愛護センターや保健所が、ふだんは予約制や平日限定のことが多い施設見学や譲渡相談を、休日に開放するタイミングだからです。環境省が公表している地方行事の一覧には、各都道府県・政令市の行事が並んでいます。「まだ迎えると決めたわけではないけれど、一度センターの雰囲気を見てみたい」という段階の方には、この週がいちばん入りやすい入口になります。100年という節目を、自分の暮らしに保護犬がいる未来を考え始める区切りにしてみるのも良いと思います。

鳥取・倉吉で動物愛護フェスティバル、しつけ教室やペット相談も

動物愛護週間の初日となる9月20日(日)、鳥取県倉吉市の「人と動物の未来センター アミティエ」(鳥取県動物愛護センター)で、動物愛護フェスティバルが開かれました。NHKによると、保護猫やペットとのふれあいを通じて動物愛護への理解を深めてもらう催しで、鳥取県の案内では犬のしつけ方教室、ペット相談、市民公開セミナー、わんわん運動会などが組まれていました。アミティエは公益財団法人動物臨床医学研究所が運営する施設で、2014年から鳥取県と連携し、県内の保健所で収容された犬猫の健康管理と譲渡を担っています。

出典:NHK 鳥取県のニュース・2026年9月20日/鳥取県公式サイト「動物愛護週間(9月20日~26日)」

HOGOINU LANDの視点:このフェスティバルの中身を見ると、「ふれあい」だけでなく「しつけ方教室」と「ペット相談」が同じ日に組まれているのが特徴です。保護犬を迎えたあとに出てくる悩みの多くは、トイレ、吠え、留守番といった日常のことで、迎える前に「相談できる場所がある」と分かっているだけで、心理的なハードルはかなり下がります。自治体のセンターが獣医師や訓練士とつながっている地域では、迎えたあとの相談先も同じ場所に集まっていることが多いので、譲渡会や行事に行くときは「迎えたあとに困ったら、ここに相談できますか」と一言聞いてみるのをおすすめします。しつけの基本的な考え方は、保護犬のしつけの基本【トイレ・無駄吠え・噛み癖を正しく理解する】にもまとめています。

熊本、被災ペットの健康相談会が続く。支援物資も避難所へ

7月28日に発生した令和8年熊本地震について、熊本県動物愛護センターは9月16日、被災したペットを飼っている避難者向けの「ペットの健康相談会」の第5回(9月20日・氷川町役場)と第6回(9月27日・宇城市不知火支所)の日程を発表しました。相談は熊本県獣医師会の獣医師が無料で対応します。また9月11日には、熊本地震ペット救護本部の活動報告と、全国から届いた支援物資が避難所へ届けられていることが公表されました。避難所では愛護センターや保健所の職員が、ペットと一緒に避難している方への情報提供や、被災したペットの健康観察も行っているとのことです。

出典:熊本県動物愛護センター「ペットの健康相談会を実施します」・2026年9月16日/同「熊本地震ペット救護本部の活動報告」・2026年9月11日

HOGOINU LANDの視点:発災から2か月近くが経っても、避難所を回る健康相談会が続いているという事実は、被災地のペットの状況が「一段落」してはいないことを示しています。一時預かりや相談窓口といった仕組みは、寄付と物資、そして現場の職員の手で支えられています。この記事を書いている9月21日は、私たちの拠点がある千葉でも台風25号の接近で避難情報が出ています。災害はどこでも起こりうるもので、保護犬を迎えるということは、その犬の「もしもの時」を引き受けることでもあります。迎える前に、自分の住む自治体がペット同行避難をどう案内しているか、一度確認しておくことをおすすめします。熊本の続報は、引き続きこの記事でお伝えします。

福岡県、譲渡が難しい犬猫のための寄付募集を開始(今週のニュースではないけれど)

福岡県は9月7日から12月5日まで、「福岡県犬猫飼養環境整備事業」へのクラウドファンディング型ふるさと納税による寄付を募集しています。目標金額は200万円。福岡県では令和5年度から3年続けて、県内の動物愛護センター等に収容された「譲渡可能な」犬猫の致死処分がゼロになっていますが、人に馴れていない犬や離乳前の子猫など譲渡が難しい犬猫は残っており、寄付金は動物愛護団体への補助金として、犬が人に馴れるための訓練費用やケージ購入費などに充てられます。令和7年度は147万円の寄付が集まり、県内14団体に交付され、犬45頭・猫6頭の飼養環境整備に使われたとのことです。返礼品はありません。

出典:PR TIMES(福岡県)・2026年9月9日

HOGOINU LANDの視点:このリリースで注目したいのは、「譲渡可能な犬猫の致死処分ゼロ」という言い方です。行政が発表する「殺処分ゼロ」には、多くの場合「譲渡できると判断した犬猫について」という前提がついています。人に馴れていない野犬出身の犬などは、この前提の外側にいて、民間の団体が引き出して時間をかけて訓練しなければ「譲渡可能」の側に移れません。福岡県の仕組みは、その訓練の費用を寄付で支え、譲渡できる犬を増やそうとするものです。保護犬を迎える側にとっては、「センターにいる犬」と「団体が預かって訓練中の犬」では、迎えるときの慣れ具合や必要な準備が違うことを知っておく意味があります。野犬や保護収容出身の犬を迎えるときの考え方は、野犬・保護収容出身の保護犬を迎える準備【出自別ガイド】にまとめています。自治体の助成や寄付の仕組みについては、保護犬を迎える費用・制度ガイド【医療費の目安・自治体の助成制度】もあわせてどうぞ。

名古屋市と獣医師会が「動物フェスティバル2026なごや」を10月4日に開催

名古屋市と公益社団法人名古屋市獣医師会の共催で、10月4日(日)10時から16時まで、久屋大通公園エンゼル広場で「動物フェスティバル2026なごや」が開かれます。今年のテーマは「1万年の共生を、今日体験する」。犬と猫では人との共生の歴史が異なることを3Dシアターや展示で体験する「体験型ミュージアム」のほか、プロによる犬のしつけ教室、動物とのふれあい、家族写真の撮影などが予定されています。「ペットを飼っている人も、飼おうか迷っている人も」と呼びかけている点が印象的です。

出典:PR TIMES(株式会社サンデーフォークマネージメント)・2026年9月16日

HOGOINU LANDの視点:市と獣医師会が主催するイベントは、保護犬を「迎える前」に行く場所としてちょうどいいと思っています。譲渡会は「この子を迎えるかどうか」を考える場ですが、その手前で、そもそも犬と暮らすとはどういうことか、家族の合意はとれているか、といったことを確かめる機会は意外と少ないものです。名古屋市は2016年度から犬の殺処分ゼロを続けている自治体でもあり、そうした地域のイベントには、センターの譲渡情報や地元団体のブースが並ぶことが多くあります。10月4日はまだ2週間ほど先なので、お近くの方は予定に入れておくと良さそうです。

今週のニュースから ― 保護犬を支える「三つの層」を知っておく

今週のニュースを並べてみると、東京、鳥取、熊本、福岡、名古屋と、いずれも自治体の動物愛護センターや行政が前面に出ていることに気づきます。動物愛護週間の行事も、被災ペットの相談会も、寄付の募集も、主語は「県」や「市」です。一方で、その現場を実際に動かしているのは、鳥取なら公益財団法人、熊本なら獣医師会と全国からの寄付、福岡なら14の民間団体でした。保護犬の世界は、行政・民間団体・そして寄付やボランティアで支える一般の人、という三つの層が重なって成り立っています。

この三層構造は、保護犬を迎えようとする方にとって、実はとても具体的な意味を持ちます。第一に、「どこから迎えるか」の選択肢が一つではないということです。自治体のセンターから直接迎える道もあれば、センターから引き出して訓練やケアをした民間団体から迎える道もあります。同じ「保護犬」でも、センターにいる段階の犬と、団体で数か月過ごした犬とでは、人への慣れ方も、迎えたあとに必要な時間も違います。福岡県のリリースにある「人に馴れる訓練」は、まさにこの差を埋めるための時間です。どちらが良い悪いではなく、自分の暮らしと経験に合った道を選ぶために、この違いを知っておくことが大切だと考えています。

第二に、「迎えたあとの相談先」も、この三層のどこかにあるということです。鳥取のフェスティバルでしつけ教室とペット相談が同じ日に並んでいたように、行政のセンターや獣医師会は、譲渡したあとの飼い主も支える役割を持っています。私たちも千葉で犬の施設を運営していますが、迎えたあとの相談をたまにいただきます。困ったときに一人で抱えないで済むよう、迎える前に「ここに相談できる」という場所を一つ持っておくと、最初の数か月がずいぶん楽になります。

第三に、「今は迎えられない」人にも、できることがあるということです。福岡県のクラウドファンディングは返礼品なしのふるさと納税で、譲渡が難しい犬猫の訓練費やケージ代に直接充てられます。熊本の相談会や一時預かりも、全国からの寄付で運営されています。家庭の事情で今は犬を迎えられないという方が、この三層の一番外側から保護犬を支える方法は、思っているよりたくさんあります。

動物愛護週間が100年を迎えた今年、行事に足を運ぶときは、その場を支えている「層」に少し目を向けてみてください。センターの職員、ボランティア、獣医師、そして寄付をした誰か。保護犬を迎えるということは、その輪の中に自分も入るということです。HOGOINU LANDでは、迎える前の準備から迎えたあとの暮らしまで、これからも一つずつお伝えしていきます。

なお、環境省の動物愛護週間地方行事の実施報告と、長野県社会福祉協議会の「社会福祉と動物愛護管理の連携のための研修会」(10月開催)については、今週は新しい発表がありませんでした。9月25日には環境省の動物愛護管理功労者表彰の表彰式が予定されており、週間終了後には各自治体の実施報告も出てくる見込みのため、今後の動向はまたこちらでお伝えします。

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